こんばんは、読子です。
とうとう病院の貸し出し本の本棚で出会ってしまいました。気になっていたあの本…
最近巷でよく見かける「5分で読める!」的なサクッと系短編集です。
コレ系は「一駅で読める!(うろ覚えで不確かな記憶)」だとか「5分後に大どんでん返し!(こっちも薄らぼんやりした記憶)」みたいなシリーズも出ていましたよね、確か。今のブームはガツッと集中型ではなく、スキマ時間の短時間読書なのでしょうか…?
さてその中で、今回出会ったのはこちら
「5分で読める!怖いはなし」このスミテリーがすごい!編集部 編のホラーアンソロジーです。
存在としては認知しており、ずっと気になってはいたのですが「あまり知らない作家さんばかりだとな〜」と今ひとつ手が伸びずズルズル今日まで来てしまいました。
が。今回は別です。なんたってここ
よく見てください…
\ててーーーーーん!!!/
読むことが決まってしまいました。(チョロい)
ちなみにお隣の柚月裕子さんも、実はずっと気になっていました。柚木麻子さんの本を探しに行くと必ずお隣にいらっしゃる柚月裕子さんの本。密かに柚月さんの作品も手に取るチャンスを伺っていたんですよね…
このチャンス、逃してたまるか。読まないわけにはいきませんよ。せっかくなのでいろいろつまみ食いさせていただきます…!
構成
超ショートゆえに「あらすじ」を説明しようとすると、図らずも「ぜんぼう!」になってしまうので、ここでは本の構成をお伝えします。
総勢十名の作家さんが一人あたり二〜三話を担当し、最短で三ページ・最長でも十四ページのサクッと読める短編集を成しています。
作家さんは順不同。あの作家さん面白かったな…もう一話くらい読みたかったな〜、なんて思っていた頃にひょっこり二話目が現れたりします。サプラァイズ
参加作家さん
感想
真梨さんがいらっしゃるので何となくあたりはついていましたが、やはりシンプルなホラーだけではありませんでした…!
いわゆる「怪異」についてのわかりやすい怪談から、人間の怖さや醜さにフォーカスしたイヤミス的なお話、勘違いや思い違いによる肝の冷えなどなど、幅の広い怖い話に出会えます。さすが「このミス編集部」が編集しているだけあって、ミステリ要素はしっかりありました。
ショート・ショートではありますが、同じ作家さんが各話完結の続き物ものとして同じ題材で書いているストーリーもあります。
ちなみに私が気にしていた柚月裕子さんは、ミステリに振っていてかなり好きな感じでした。もちろん嫌な気持ちになりました…
今度柚月さん作品を一冊買ってみようかと思います。(柚月さん履修済みの方でおすすめの本がございましたら、ぜひコメント欄から教えてくださいね…!!)
それから、印象的だったのは井上雅彦さん。(何しろお名前を存じ上げませんでしたので、)全くのノーマーク。作風はわかりやすく「妖怪!怪異!!!!」って感じで夏にはぴったりの不気味さでした。愉快な妖怪さんではなく、普通に怖いやつです。悪いことするお化け。
ただ、句読点が多くて文体が合わなかったなあという印象もあります…(文章の相性大事…)
最後に、一番お気に入りになったお話は平山夢明さんの「すき焼き」。本書のトリを飾るお話でしたが、
最高に後味が悪くて最高でした!(?)
全体的に「人間怖い」と「怪異怖い」がバランスよく配合されているアンソロジーでした!
暑くなるこれからの時期にはもってこいの一冊だと思いますので、ご興味のある方はぜひ…!!
読子は短時間で短編をサクサク消化する読書より、どちらかと言えばがっつりとストーリーにのめり込むタイプの読書が好きなので極端な短さの短編集は避けがちでしたが、たまにはショートショートも悪くないなと思いました…!
次は積読からおすすめいただいた本を読もうと思います。