こんばんは、読子です。
桜が満開ですね!春の麗らかな陽気、とっても気持ちいいです。おさんぽが捗りますね〜
さて現在の読書会は、「本好きの秘密基地」のはむちゃんさんがお休み。「郵便局のおじさんは9時40分ごろやってくる」のニードルさんと二人体制です。つまり、二回に一回は自分が選んだ本になるので…
そう、ほぼ毎回読書会の記事になっちゃったりするわけです!(※ニードルさんを私の趣味に巻き込みながら)
というわけで、
「第4回 屋根裏の内緒話〜!!」
今回は私の選書です。
「ワーキング・ホリデー」坂木司さん
デパ地下の和菓子屋で勤めるアンちゃんの日常を描く、「和菓子のアン」シリーズの作者さんの作品です。
目次
- エリア1 宛先人不明
- エリア2 火気厳禁
- エリア3 こわれ物注意
- エリア4 代金引換
- エリア5 天地無用
- 謝辞という名のあとがき
- 文庫版あとがき&特別便
あらすじ
ホストの沖田大和(源氏名:ヤマト)は元ヤンキー。王子様みたいなタイプはガラじゃないので、あまり固定で指名してくれる姫(お客様)がつきません。
そんな彼のもとを「僕の父親はあなただ」と主張する小学生・進が訪ねてきます。しかも仕事場である『クラブ・ジャスミン』ホストクラブに。一体何が起きているのかわからずも、家に帰る気のない小学生を引き受けるしかない大和。
翌日彼は「息子である」と主張する進に、父親として、またホストとして格好いいところを見せようと張り切ります。しかしその日起こした不祥事をきっかけに、大和は格好いい姿を見せるどころか、ホストをクビになってしまいました。
無職になるかと思いきや、職を失ったばかりの大和には「ハチさん便」での宅配業が待っていました。突然舞い込んだ父ワークそして、宅配ワーク。新たな仕事を二つも抱える事となった大和の新生活やいかに…?!
感想
坂木司さんの小説にオネエの影あり!
「和菓子のアン」のみつ屋正社員・立花さんのような、いい感じのオネエが本作にも登場。
大和の勤めるホストクラブ『クラブ・ジャスミン』のオーナー、ジャスミンです。こんないい女(男…?)が出てきたのに、大和のクビと共にお別れなの?!と不安になりましたが、ホストクラブ退職後もちょいちょい出てきます。
そして、和菓子のアンよろしく、やはり登場人物全員のキャラクターが濃い。
オネエに、小太り、背景に薔薇を背負うタイプの王道ホスト、ゴリラのような見た目のハチさん便の支店長、そして家事が出来て小姑のような小学生の息子…賑やかなキャラクターたちが作るあげる、爽やかな物語。ラストの胸が暖かくなる展開に、ちょっぴり涙がぽろり🥲
自分でいうのもアレですが、今回は正直読子らしくない選書でした。でも、たまにはこういうお口直し的な本も入れたくてですね?春ですし。あたたかい気持ちになりたいじゃないですか。
坂木司作品のコメディとドラマのバランスって、振り切りすぎてない絶妙さでとても好きなんです。動物園ミステリーの似鳥鶏さんのコメディ・ミステリーのバランス感覚と似てるなあと感じるので、適度なコメディを摂取したい時に、このお二人で「どっちにしようかな〜」になりがちです。
ライトな読み心地なのに、ストーリーは満足感があると言いますか。サクッといけて、忙しい中でも読むのが辛くないんですよね。それでもって、ちゃんと楽しかったという余韻に浸れるので、たまに坂木司さんの作品に手が伸びます。適度なライトさなので、これから小説に挑戦!な学生さんにもオススメです。
そういえば
薄々感じていたのですが、やはり宅急便だから主人公の名前が「ヤマト」なんですね。そういう設定になったであろう経緯はあとがきでも触れていますので、あとがきもぜひ読んでみてください。確かにここ数年(もっと前かも)、アレが町中を走っているのを見るようになりましたね。
息子の前で格好をつけようとするのに、そんな時に限ってことごとく失敗する大和。そう、配達車のアレとかね(笑)
そんな、ちょっぴり不憫で不器用な父・大和のことをどうか生暖かい目…いや、暖かい目で見守ってあげてください。
それにしても、宅配の人たちの存在が犯罪の抑止力になってる、というのはいい学びでした。なるほどなあ…
荷物を安全に送り届けるだけではなくて、治安維持(というと大袈裟かもしれないけど)の面でも安全に寄与してくださっていたとは…
いつも爽やかにお荷物を届けてくださるヤマトさん、佐川さん、日本郵便さんに感謝です🙇♀️!
次はニードルさんの選書!!