読子の本棚

読んだ本をここの本棚にしまっておきます。

34冊目:カンタベリー・テイルズ 真梨幸子さん

こんばんは、読子です。

最近同室の方と仲良しになったので、入院している割に本を読むペースはゆっくりになりました。読書ももちろん楽しいですが、誰かと一緒に過ごす時間がある事は何にも変えがたい幸せですね。気の合う人と会えたのラッキーだ本当に…

 

 

さて今回も積読消化なのでまたもや好きな作家さんです。☜好きな作家さんの本ほど、読むのがもったいなくて取っておいてしまう人

 

 

今回はこちら

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真梨幸子さんカンタベリー・テイルズ」

 

作中に登場するカンタベリー物語は、残念ながら読子は未履修です。履修済みだったらまた一味違う読み応えなのかな…

洋書は(何故か登場人物の名前が信じられないくらい覚えられないので)どうしても苦手で、避けまくっているので…。ミステリ好きとしては、いつかアガサ・クリスティそして誰もいなくなったなんかは読んでみたいとずっとずっと思っているのですが。でもミステリで名前覚えられないのは致命的ですからねえ…

 

ええと…お話が逸れましたが、ここからは本書の内容に触れていきます。まずは目次から↓

 

目次

  • はしがき

 

 

  • あとがき

 

はしがきとあとがきは真梨さんご自身のコメントです。本編は5本だてとなっております。

 

 

各話あらすじ

グリーンスリーブス

憧れのあの子と私の話。

あの子は綺麗で目を引くけれど、主人公・美弥にとっては目の上のたんこぶのような存在。あの子は美弥の片思いする橘先生と秘密の関係。憎い、憎い、彼女が憎い…のだろうか?私の本当の気持ちはどこ?

 

カンタベリー・テイルズ

「それぞれとっておきの面白い話をし合いましょう。一番面白くなかった人が罰ゲームね。」

同じパッケージプランの旅行でイギリスに来た旅人たちが、旅先でカンタベリー物語に倣って自身の体験(或いは自身が創作した話)を披露し合う話。

主人公が見る夢の内容は現実になってしまうのか…どうすれば私はこの恐ろしい事故を回避できるのだろうか…

 

ドッペルゲンガー

「あの人、腕はいいけど嘘つきなところがいけないわ。」あの子を殺したのは誰?芸者の死から始まるミステリー。

芸者たちと美容師との間で交わされる、思惑たっぷりの会話に翻弄されてしまいますし(主に読者が)、さっきまで色々喋ってたのに、まさかあなたが既にそんな状態だったとは…!と衝撃的な状況に度肝を抜かれます。

 

ジョン・ドゥ

映画「SE7NE」の殺人鬼の名前をタイトルとする、「殺人」と「時効」のお話。

主人公の悩み(夫が不倫をしているのではないかという疑い)と友人・ユカリさんの悩み(刑事らしき人間の取り調べに虚偽の返答をしてしまったことを過剰に気にしている)のお悩み二本立て。物語の進行とともに、ユカリさんの真の悩みが明かされていきます。

ユカリさんの悩みはどうにもならんのに、主人公の悩みはふわっと解決してて却って後味が悪い。

 

シップ・オブ・セテウス

前話「ジョン・ドゥ」で浮気を疑われていた主人公の夫が執筆し、賞に入選できなかった短編SF小説。ある日突然、父から(父の)クローンが存在していることを明かされるお話。

普通に面白いストーリーだったから入選してほしかった。

 

 

感想

以前読んだ「お引越し」もそうでしたが、それぞれが独立したストーリーながらどこかで緩くつながっています。

思わぬところ(別の話)で、唐突に謎が回収されたりするので、読者はドキッとするやら気持ちがいいやら…

 

そしてちょくちょくパワースポットが出てくるのに

ぜんっぜん幸せになれねーのな!

そうだよな…真梨幸子作品内で幸せになれるなんて思ってる甘っちょろいキャラクターなんていねぇよな!?

 

なかなか幸せになれないキャラクターたちの中でも、読子的に特に印象に残ってるキャラクターが1人いまして。それが「カンタベリー・テイルズ」のカワイさん。

傷心を癒すべく旅行に来たベリーショートの女性が出てくるのですが、その彼女…カワイさんは本当に真梨幸子さんの作品らしさが爆発したキャラクターで…

おせっかいだし1人で盛り上がってるし、なんか微妙に空気が読めてなくて、絶妙な不潔感がある嫌な気持ちになるには本当に丁度いいキャラクターなんですよ。

真梨さんはこの手のキャラクター仕込むの上手過ぎる…ところで真梨さん、なんでこんなに変な女の解像度高いの…?

 

 

あとね

 

本当に、そうね。人って……怖いわね。

三話目・ドッペルゲンガー

なあんてセリフが出て来ちゃったりするんですけど、よく言うわ!!!!真梨幸子ワールドのキャラクターでありながらよく言うわ!!!!

 

今回も作中にたくさんのクセツヨ女・性悪女が出て来ますからね。もうね、お腹いっぱい(胃もたれ気味)。でもこれが真梨幸子作品を読む醍醐味なんですけどね。

 

最後にあとがきについて。

あとがきで真梨さんご自身の事についても触れているのですが、こんなにたくさんの作品を執筆していて、こんなに人の心を揺さぶる(おっかない方向にね)作品を書いている方でも、水道まで停められそうになって崖っぷち…なんてことがあったんですね…

意外過ぎる…。

※ちなみに起死回生の要となったのはもちろん「殺人鬼フジコの衝動」です!

今は都内に仕事場も持たれているそうですよ…!作家先生たる風格…!

 

 

真梨幸子さんの積読、徐々に消化してきました。

次は何を読もうかな。次はイヤじゃないやつ。

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