読子の本棚

読んだ本をここの本棚にしまっておきます。

35冊目:レインツリーの国 有川浩さん

こんばんは、読子です。

 

前回はどろどろしたから今回は優しい気持ちになったり、きゅんとしたい…

そんな時にTwitterで本作の読了ツイートを拝見し、そうだこれこれ!と思い出しました。

 

それが

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こちら!

大人のラノベ作家と称される有川浩さんレインツリーの国

 

本書には高校生の頃に課題読書という形で出会いました。なんと十数年ぶりの再読です。

 

当時はブックカバーをつけて読む習慣がなかったので、学生鞄の水筒から漏れ出した麦茶のシミやら、なんかよくわからん汚れが付いてしまってごめんね…の気持ちです。でも大好きな本なんだ。青春の汚れってことにしておいてくだちい…

 

 

目次

1.直接会うのが駄目やったら、せめて電話だけでもどうかな。

2.「……重量オーバーだったんですね」

3.傷つけた埋め合わせに自信持たせてやろうなんて本当に親切で優しくてありがとう。

4.「ごめんな、君が泣いてくれてきもちええわ」

5.歓喜の国

 

 

あらすじ

学生の頃に熱中したライトノベルのラストを巡る感想から、二人の男女の縁が繋がるお話です。

主人公・伸行が、気まぐれにも“学生時代に好きだったライトノベル”について検索していたところ、ひとみの運営するブログ「レインツリーの国」がヒット。二人は本に関する感想を通して幾度もメールを交わし、仲を深めて行きます。

好きな本について語る仲間は、気づけばメールの返信を心待ちにするような“気になる人”に。そしてついに2人はネットの世界を飛び出して、直接顔を合わせることになるのですが…

 

 

感想

ちょっと特殊で運命的な出会い方をした二人が、お互い違う環境で培った価値観や思いと向き合い、擦り合わせていく恋愛物語です。

スパイスの効いた甘口。

 

二人のやり取りはメールやチャット形式が多いので、口語的な文章が多く読み口はとても軽いです。読む速度isサクサク。「大人のラノベ作家」と呼ばれるだけある有川作品ならではの軽さだと思います。「忙しい日々でも本を読みたいのだけれど、あんまり小難しいのは…」みたいな方には推せる作品です。

 

ただ、一応主人公たちは社会人なのですがかなり強めな青春の光に当てられるので

✨💡✨ペカー

🤦‍♀️「目が…!!!」

となるので気をつけて。大人の恋愛というよりも、青春み強目のウッってなるやつです。

青春耐性に乏しい方はご注意を⚠︎笑

 

 

 

細かい部分では

それにしてはまっすぐ見てくるなぁ

「なんでもいいですけど洋画で…」

なんて辺りのフレーズから、なんだ…ヒントはそこらじゅうにあったのか、って思いました(二周目的感想)。めっちゃ伏線張ってあるじゃん。

 

セクションタイトルにもなっている

「……重量オーバーだったんですね」

というひとみの悲しいセリフは、学生時代に読んだ本ながら十年以上経った今でも覚えていました。盛ってません、まじで。このシーンは当時高校生だった読子少女には衝撃的過ぎて、本当に忘れられない台詞・場面でした。

 

いろんな事情こそあるものの、ひとみちゃんはシンプルに気難しいレディなので、伸行くんの粘り強い関わりと奮闘っぷりには「惚れた方が負けってこういう事か〜!!笑」って思いました。

私はひとみちゃんほど難しい人生を送っている訳ではありませんが、なんというかこのネチっと卑屈な思考パターンは似ていたりするので「気持ちわからなくねーなあ…」なんて一緒に青春させていただきました。(隙自語やめろ)

 

このちょっと卑屈なひとみちゃんと、どちらかといえば理屈で考える伸行と、「私は可愛くあることに心血を注いでいます!恋愛に命かけてるんで!」とはっきり主張するタイプの(伸行に好意を寄せる)ミサコのキャラクターのコントランスが絶妙バランスでよかったです。あっ、こういう三角関係か〜って。

 

そして伸行の叔母さんも、いかにもな関西のオカン系でかなりいいキャラしています。有川さんの作品はサブキャラまで無駄がない。

サブなのに結構パンチ強めで出てくるので、ちょろっとしか出てこないその叔母さんに読子はハート掻っ攫われていって「親戚とか近所にこういうおばちゃんいて欲しい〜〜〜」みたいな、物語中の最推しがよくわからない所で爆誕してしまうという現象が起きてしまって

………この感じ伝わってますか?

 

紆余曲折あったけれど最終的にはきっちりイチャついてくれてるので、キュンもしっかり摂取できます。嗚呼満足…

前述した通り大人の恋愛にしては透明度が高く爽やかなもんで、何故か学生恋愛ものを見たような不思議な気持ちになります。とにかく主人公の伸行が爽やかイケメンなんだこれが…しかも関西弁喋るっていうオマケ付きね。

 

 

最後に本筋とは少し関係ないのですが、同・有川浩さん作品の図書館戦争シリーズ「図書館内乱」のハードカバーの表紙には、本作「レインツリーの国」の表紙デザインが使われているそうです。どうやら本作が本編に絡んで来るもよう…

図書館戦争シリーズも学生時代途中まで読みましたが、内容のその殆どが忘却の彼方なので、いずれまたどこかで読めたらいいなと思っています。

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次は…次もたぶん再読図書!