こんばんは、読子です。
今の読子は無敵です。嫌な気持ちになる本を読んでも全然気分が悪くなる気がしません。ご機嫌です。イヤミスどんとこい!
ということで、大好きな作家さんの既読本を再読。真梨幸子さんの「あの女」です。
随分前に読んだから内容は忘却の彼方。作者が真梨さんなあたり全然フレッシュで爽やかな内容ではないと思いますが、初見さながらの新鮮な気持ちで読みますよ。ニコッ
もくじ
第一章 四〇一二号室の女
第二章 小説を書く女
第三章 夢を見る女
第四章 さそり座の女
第五章 フィルムの中の女
後日談
後日談II
あらすじ
心理的瑕疵物件と言われる所沢の高層マンションの一室を巡るお話。「あの女」は改題後で、元々は「四〇一二号室」というタイトルだったそうです。
三芳珠美と根岸桜子、二人の女流作家が一人の男性担当編集者を挟んで巻き起こす性病ミステリー(?)です。今回は「梅毒」がキーワードですが、主役の二人は梅毒には罹患せず、代わりに周囲の人間がボコボコ梅毒の波に飲まれていって普通に悲惨です。梅毒の輪を広げるな。広げていいのはソフトバンクのタダ友の輪だけだ(伝わるかどうか微妙ないにしえのCMの話はやめろ)
感想
(毎度の事ながら)登場人物全員やばい。
あとSTDめっちゃ怖いのでマジで気をつけようなって感じでした。
読子は真梨さんの作品は一冊目ではないですし、ましてや本書に至っては二周目なので「絶対騙されんぞ」の気持ちで「あっほら、こことか現実と夢の境がわからなくなってる。此処でアレコレ混乱させるつもりでしょ。フフン騙されないわよ」と意気揚々と挑みました。まあ、再読ですし?同じ手にはかからないぜってもんですよ。
アッそういう…えっ?!!(今回もしっかり騙された模様)
本作は前述した通り「梅毒」そして関連情報として「阿部定」がキーワードとなります。
愛する男のちん🙆♀️んを切り取った狂人娼婦、それが阿部定。彼女が罹患していたとされる性病が「梅毒」です。戦前戦後にもアホほど流行ったようですが、近年でもパパ活の流行(?)と共に若者の梅毒の罹患者が増えているようです。怖すぎる。医療界隈のババアはとても心配です…症状が症状だから本当に気をつけてくれ(号泣)
現代の話はさておき、その梅毒の存在が人と人との繋がりを明らかにして(梅毒で明らかにされる繋がり嫌だな)、作家たちのバチバチとした関係をめぐる一連の出来事を動かしていきます。突然に全然関係なさそうなオッサン出てくるじゃん?と思っても、そいつもちゃんと梅毒でつながってます。
しかも主人公らのお互いに対する嫌悪の炎に、担当編集者が間に入って油を注ぐからもう最悪です。喜んで燃やすのはやめろ。無事最高にドロドロとしたストーリーの完成ですね。
主人公らも担当編集も他の登場人物らも、どいつもこいつも欲望に忠実でなんて危ねー奴らなんだと思う瞬間もありました。が、正直桜子お姉たまの珠美への執着や嫉妬心もわからんではないところもあり、結果自分もしっかり人間らしい汚さあるなって思いました。自分だけ善人ぶれると思うなよ。
以前読んだ「お引越し」もだけど、真梨さんは建物と人間の悪いところを絡ませるのが本当に上手だなあと思います。マンションとかの物件って見栄とか欲望がダイレクトに出るんだなあ。
次は読み心地ライトなのを読みます!
ではまた次回!