読子の本棚

読んだ本をここの本棚にしまっておきます。

69冊目:ランチのアッコちゃん 柚木麻子さん

おはようございます、読子です。

作家読みのお時間ですよ!内容はノーチェックで、作家さん買いした作品を読んでいきます。

 

 

今回は

\デンッ/

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「ランチのアッコちゃん」柚木麻子さん

 

本作は2014年の本屋大賞ノミネート作品のようです。「BUTTER」や「ナイルパーチの女子会」のような不穏さを感じないポップな表紙ですね。どちらかといえば「奥様はクレイジーフルーツ」みたいな元気出る系のお話なのかな?

 

 

目次

  • ランチのアッコちゃん
  • 夜食のアッコちゃん
  • 夜の大捜査先生
  • ゆとりのビアガーデン

 

 

あらすじ

アッコさんが出てくるお話もあれば、アッコさんが出てこないお話もある(何)。※アッコさんについては後述します

アッコさんにまつわる4つの短編かと思いきや、アッコさんはそこに存在してるだけのお話もあります。タイトルは「アッコちゃん」ですが、あくまでアッコさんは主役ではないようです。

 

 

各話あらすじと感想

*ランチのアッコちゃん*

派遣社員の澤田三智子は、彼氏に振られた傷心をきっかけに(?)職場の黒川敦子部長、通称「アッコさん」とお弁当の交換を始めます。ちょっと圧の強いアッコさんに押し切られ、半ば強引にスタートしたお昼ご飯の交換。三智子はどのようなランチタイムを送ることになるのでしょうか…?

 

アッコさんて…アッコさんて、そういうことか〜!主人公・三智子の語りがベースなので、私も

町は今〜(どハスキーな声)

で想像してました!笑

 

柚木麻子さんの「アッコちゃん」は複数シリーズ刊行されている事を知っていたので、初っ端のお話からこんな終わり方をするの🫨?!」と、正直困惑。ネタバレ防止のため詳しくはお話しできませんが、どう考えてもアッコさんが登場しにくくなる感じで終わるんですよね。アッコさん、今後どうやって出てくるんや…

 

 

*夜食のアッコちゃん*

派遣社員の澤田三智子、現在、正社員と派遣社員の板挟みにされています(悲鳴)!バレンタインのチョコレートを渡す渡さないのいざこざで、派遣と正社員が真っ二つに割れているのです。

派遣の中でも正社員の清水主任に気に入られている三智子は、どうにかして中立を保ちたいものですが…

 

 

でっ……出て来た〜!!!!!

アッコさんちゃんと出て来た〜!!!!!

しかもなんか登場がワイルド😂

気づけば二話目にして、早くもアッコさんのトリコになっていました(笑)

キッチンカーの需要はランチタイムだけではない、というのは学びでした。メニューにもよるんだろうけど、なるほどなあ…キッチンカーってお祭りの時に突然現れるものだと思ってた。こんな風に、ホッとする温かさを運ぶお店でもあるんだなあ。

 


*夜の大捜査先生*

主人公の野百合は合コンに参加しています。今ひとつ乗り切れないも、どうにか3年以内には結婚をしたい野百合。仕切り直しでグロスを塗り直しに席を立った時、野百合の目に飛び込んできたのは自分が女子高生だった頃の担当教諭でした。当時の担任(ゾノせん)は、どうやら夜遊びをする生徒を追いかけているよう。

先生と一緒に生徒を追いかけながら、女子高生だった過去の自分の影追いかけるお話です。

 

 

女子高生の頃に見えていた景色と、大人になってから見る景色の対比にウッ…となりました(胸の辺りを抑えながらうずくまる人)(救急車呼んで)

過去も今も、全力で生徒を追いかけ続けている前園先生はきっといい先生なんだろうなあ。

思い返してみれば学校の先生と関わった時間は、自分が想像していたよりもずっとずっと長いこと私の中に存在していてます。 あの先生に出会ったからこういう価値観で育ったとか、そういう…親から貰いきれない掛け替えの無い物をもらった気がするのです。何年経ってもふと先生のことを思い出すこともありますし、あの頃の学校の先生との出会いは、何物にも変え難い大切な時間だったんだなと思ったりしました。また、当時の先生と同じ年齢に到達した今だから、先生がどんな思いで指導をしていたかも想像ができますしね。

野百合の状況に照らし合わせるように、読んでる側もなんだか懐かしいような寂しいような、そんな気持ちになるお話でした。

 


*ゆとりのビアガーデン*

全然しごできじゃないゆとり世代の女の子が、辞めさせられた会社の屋上でビアガーデンを開くお話。

 

あらすじだけを拾うとあまりにも煽りティが高いのですが、本人には全く悪気がありません笑

ナチュラルに煽り倒していくお嬢。でもね、この子本当に頑張り屋さんなんです。自分で道を切り拓いてるの。凄い子なのよ。何かを成すために必要な事を自分で探しに行ける子です。

細かいことをずっと気にするタイプの読子は、「ハイ、次ィ!」タイプの彼女を見習いたいと思いました。しごでき社会人になるためにはフットワークの軽さって大事なんですね。

 

 

 

心の栄養たっぷりの元気が出る一冊でした。

心が疲れている時や明日への活力をお求めの方は、ぜひお弁当箱の表紙のこの本を!

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