読子の本棚

読んだ本をここの本棚にしまっておきます。

21冊目:Xmas stories (アンソロジー)

こんばんは、読子です。

クリスマスに間に合ってよかった…!(滑り込み)

 

 

今回はクリスマスアンソロジー!本のタイトルは「Xmas stories」です。

私の大好きな伊坂幸太郎さんのお話も入っています。実はこの本、出会った年からクリスマスの度に読んでおり、そろそろこの本を通して読むのも4回目となります。毎年この本でクリスマスに向けてアップをしてから当日を迎えている、ということですね。今年も例年通り読み返しますよ。

 

 

 

それでは本編です。

 

 

・逆算(朝井リョウさん)

テストまであと何日、今年が終わるまであと何日、結婚式のドレスを着るためにあと何ヶ月でどれくらい痩せる…私たちが日々逆算を繰り返すように、主人公たる彼女もまた、何度となく自分の誕生日から逆算をします

彼女は高校時代に彼氏との性交を断った際に「お前の両親はクリスマスのテンションと勢いで子供を作った(意訳)」と当てつけのように言われた経験があります。その記憶が大人になった彼女の心の中で、未だにささくれのように引っ掛かっている…というお話です。

そんな心のささくれが、一人の男性との出会いで優しく保湿されていきます。ラストのオチがとても優しいものでした。

 

 

・きみに伝えたくて(あさのあつこさん)

高校を卒業して短大生になった主人公の元に、元恋人の手が現れる話です。(何て?)

高校卒業後、上京してからすれ違い始める恋人同士の二人。クリスマスイブの日、そんな二人を悲劇が襲います。忙しい中で漸く二人の時間をとれたその日、喧嘩で駆け出した主人公を追って彼氏の翔也がトラックに轢かれます。

彼女は(間接的ながら)彼の命を奪ってしまったという事実を背負い、暗く小さくなりながらその後の人生を歩みます。そんなある日、以前彼女に好意を伝えてきた男性と再会するという、人生の転機が訪れます。

彼との再会を元恋人・翔也はどのような気持ちで見守る(目無いけど)のでしょうか。そして、翔也(の手)は何を伝えるべく彼女の元にあわられたのでしょうか?

 

 

 

・一人では無理がある(伊坂幸太郎さん)

どんな人にもクリスマスという日は平等に訪れます。ただし、どんな子供にも平等にサンタさんが訪れるとは限りません。そんな子供の元にクリスマスプレゼントを届ける会社が、実はこの世界に存在するのです。

 

・サンタさんが来ない環境の子供を調査する部署

・プレゼントの調達をする部署

・プレゼントの配達をする部署

・トナカイの調教と調整をする部署

・当日の天候を把握したり、管制塔の役割をする部署

・この会社にピッタリな人をハントする人事部

 

など、システム的によく出来上がったサンタさんの会社。これが主人公・松田の勤め先です。

 

この物語は主人公が二人いて、混合二部制で出来上がっています。サンタさん会社の社員・松田編と、もう一人の主人公の林梨央編です。

松田編ではサンタさん(の会社)がプレゼント配達をするまでのお話を展開し、梨央編ではクリスマスにストーカーが訪問してくるお話が進行しています。

松田の仕事っぷりが、梨央の危機迫るクリスマスにどのよう奇跡をもたらすのでしょうか。伊坂幸太郎さんがお好きな方は、是非クリスマスまでにチェックしてみてくださいね。

 

 

・柊と太陽(恩田陸さん)

これは再鎖国した日本のお話。

この世界線の日本では、冬至祭(12月25日)の頃になると「三田(サンタ)」と呼ばれる赤服の老人が靴下に土を詰めて殴りにくるのだそうだ。ェ怖ぁ…

どうやらこの文化は再鎖国前に日本に伝来した西洋のものらしい。そしてこの日には「きよひこの夜」という歌を歌い、きよ彦を崇めたりもする…つまり三田ときよ彦は同一人物なのでは?などと展開される迷推理。

「再鎖国された日本」というなんだか不思議な設定の元で、あれこれ想像して語られるクリスマスの夜のお話です。

 

 

 

・子の心、サンタ知らず(白河三兎さん)

クリスマスの恋と、親子の関係をめぐる物語です。どちからといえば親子の関係に重きを置いているイメージ。

クリスマスにプレゼントを届けるのはサンタさんに扮した主人公か、はたまた思わぬ人物か。

ぶっきらぼうで不器用な温もりを感じられるストーリーです。

 

 

・荒野の果てに(三浦しをんさん)

嘉永六年の時代を生きる幼なじみの二人、卯之助(天草のお侍さん)切支丹の弥五郎(農民)が現代にタイムスリップしてくるお話。地下鉄のホームに現れた挙動不審な二人を、酔っ払った現代人の里絵ちゃんが犬猫を拾う要領で保護します。

たとえ幼なじみが相手であろうと切支丹を取り締まらないといけない立場にある卯之助の躊躇いと、何を信仰しても何を信仰しなくても許される世界になって欲しい…という弥五郎の願いがクリスマスに奇跡を呼びます。彼らは無事、元来た時代に戻れるのでしょうか?

命の掛かったシリアスな設定ながら、二人のお江戸観光のほっこりムードや里絵ちゃんとのやり取りには癒されます。

 

最近なんかこういうの見たことあるなって思ったら、アレですね。パリピ孔明

異世界転生は正直あまり得意ではないのですが、タイムスリップものは好きなようで、パリピ孔明も本作も読子はとても好きな作品でした。

 

よーしこれでアップはバッチリ!

クリスマスに向けて心も体も温まりましたよ!

あとはうめぇ肉食べるだけだ!

 

 

読子は遅読なので次は多分クリスマス後!それではまた次回!

 

皆様素敵なクリスマスを〜!(早