こんばんは、読子です。
お次の本はホラーです。
「真理(しんり)」ではなく、「真理(まり)」です。女性の名前がタイトルの作品ですね。
以前コメント欄でお勧めしていただいた作家さんに手を出してみました。
夏なのでホラー小説です。もうすぐ夏も終わりですが。
偶然手に取った一冊がホラーだったので、これはいいタイミング!と思ったのですが、そもそも加門七海さんはホラーやエッセイが専門(得意分野?)なのですね。他の代表作を調べたらホラー小説がたくさんで驚きました。
…私の読み方がどうこうではなく、どう考えても加門さんの本が読みやすいからなのですが。
とにかく先が気になり、スピード感をもってページを捲れました。①でも言及している通り、場面転換が多くてダレません。
人間の集中力は1分だとか30〜50分だとか、90分だとか…世の中にはいろいろな数字が飛び交っていますし、実際どれがどう言ったエビデンスに基づく数値なのか私にはわかりません。
ただ一つ、私の元で明らかになったのは
読子のスーパー短い集中力でもさくっと読めた
という事実です。短編ではなく長編ホラーなのに本当に飽きさせないな、と感じずにはいられませんでした。
ストーリーそのものに関しては、なんだかもう本当に主人公が不憫。
子供時代のいじめっ子男子(キンケシ森本)と再会したかと思ったら、キンケシの妻(真理)から不倫の嫌疑をかけられて一方的に恨まれるというお話です。
初めは「夫に近づかないで」的なお手紙がポストに入っているところから始まるのですが、嫌がらせの電話が鳴り、遂には生霊として主人公の生活を蝕むところまで事態は悪化していきます。
主人公は怯えつつもも「なんでこんな嫌がらせされなきゃいけないのよ、不倫相手は私じゃないのに!」とイライラ。
※ちなみに先程しれっと出てきた「キンケシ」は「キン肉マンケシゴム」からついた森本くんのあだ名です。
続く嫌がらせに耐えかね、主人公は真理に無実を訴えようと考えました。しかし真理は、真実を知るよりも先に縊首による自死をしてしまったのです。
…つまりこれは嫌がらせに耐え抜いた主人公の粘り勝ちということでしょうか?
You Win!!!!
ってこと?!!主人公もこれで終わりか、と一安心するのですが…
まあ幽霊界隈もそんなに甘くありませんので、皆様の予想通り嫌がらせは続きます(嫌がらせの実行に生死は問わん)。
さて真理と主人公のすれ違った戦いは、どのようにして幕を下ろすのでしょうか?結末は是非本作にて、薄暗く臨場感のある文章とともにお楽しみいただけたらと思います。
次は積読本から読みます!