16冊目:GOTH モリノヨル 乙一さん×新津保建秀さん②
こんばんは、読子です。
本記事は乙一さん・新津保建秀さんの「GOTH モリノヨル(GOTH番外編)」の②感想編です。
ファーーーーーー!!本編忘れてても問題なく読めました!
よかった!!!
なんなら原作を読んでなくても読めるような親切設計でした。このページ数でよくもこの厚みあるストーリーを…
ちなみに、番外編を読む前にご覧いただけると森野夜という存在をより一層楽しめる本編はこちらです↓
では以下より本の紹介に入ります↓
あらすじ
今回の主人公は本編で主役を張る「僕」でも「森野夜」でもありません。やや変質的なカメラマンです(エッチな写真を撮るとかではなく)。
芸術的感性が法に触れる感じに歪んだ主人公が、過去に人を殺した現場に赴きます。そこで偶然にも森野夜と出会い、ひっそりと撮影会をするお話です。
主人公の変質的な部分は“死体の写真を撮りたがる”ところです。ただし殺人には否定的。悍ましい事とすら思っています。←?
しかし「生きている人間は嘘をつく。写真を撮られる人は、その瞬間に表情をつくる(嘘をつく)から美しくない。」≒死体の顔は不自然に表情を作らない(嘘をつかない)から美しい←?!!!!
という謎理屈に基づき、今までに彼の手によって女性が殺される事件が複数回に渡り起きています。今回はそのうちの一例「7年前に女子高生を殺害した現場」が舞台となります。
殺したくはないという思いがある一方、自分の思うような写真を撮りたい主人公は、写真に対する情熱に突き動かされるようにして命を奪いました。
そして殺人から丸7年経過したその日。過去に自分の作品を制作した場所(殺して写真を撮った場所)にセルフ聖地巡礼的な感じで向かうのです。
そこで彼は期せずして、被写体に手頃な美少女・森野夜にエンカウントします。
真っ黒なロングヘアに真っ黒なセーラー服の森野夜は、7年前に女子高生殺害があった森の奥に一人訪れます。
そこに居合わせ(てしまっ)た主人公であるカメラマンに、記念撮影を依頼。彼もこんな森の中で人と出会ってしまって、自分があの事件の犯人だとバレやしないだろうか?とハラハラしながらも彼女の依頼に応じます。
そして写真を撮っている間に、彼は森野に興味を抱きはじめます。
この子の写真を撮りたい。
彼女の写真はきっと最高の作品になる、そう確信し次のターゲットは決定されました。
死体の真似をして写真を撮られる森野夜は、本物の死体にならず無事に下山することができるのでしょうか?
もちろん本編で登場する「僕」もちゃんと出てきますので、本編履修済みでGOTHの「僕」というキャラクターがお好きだった方もご安心くださいね。
そして、本編後半に収録された新津保さんのお写真はこちらです。
ちょっとだけチラッ…
森野の妖しいムード漂う写真だったり、「別に風景写真は好きじゃ無いんだけど…」などと思いながら惰性で撮ったのかな的な写真(でも小洒落たムードある)だったり、写真からも不穏なムードをたっぷり味わえる一冊でした。
選別されていない状態で丸々彼の手元にある「森野夜を撮った時のフィルムを焼き増しした写真」と想像させるようなリアルなボリューム感でした。ブレブレ写真とかが入っててそれはもう雰囲気があるの…
文章・お写真がほぼ半分くらいの割り振りで、お写真モリモリなので是非お手に取ってご覧くださいね。
中古しか見つからなかったです |
次回はまったり絵本です!
それでは!