読子の本棚

読んだ本をここの本棚にしまっておきます。

23冊目:サクッとわかるビジネス教養 地政学 奥山真司さん

 

こんばんは。読子です。

(急に戻ってくるじゃん)

 

 

 

 

(しかも何事もなかったかのように)

 

 

実は年明け早々からつわりで心身ともにどうしようもない状態になってしまい、本を読むことすらできない状態でして…。しばらくお休みをしていましたが、決して飽きたとか諦めたつもりはございません…!!よ!!!(何の言い訳…?)

 

ただでさえオエオエしているのに、気を紛らわせようと本を開いて小さな文字に目をチカチカさせ更に吐く!!!みたいなお馬鹿さんな試みもしましたが、活字読んでも気持ち悪くならないのは最高だねこりゃ。

本を読める幸せを噛み締めています!

 

 

 

さて体調復活後の一冊目は珍しくビジネス書(?)、地政学の本です。お勉強の本なのでちょっと長い記事になります。

 

正直「一般人が地政学を勉強して一体何になるのか」と問われると首を傾げるしかないのですが、大人の教養として読んでみることにしました。教養のある大人、格好いいでしょう?夫が図書館で借りてきて偶然家にあったから手に取ってみた、という背景に関しては内緒にしておきましょう。

 

 

 

 

混乱する世界情勢を土台から見つめる、それが《地政学》のようです。本書でも最初に

国際政治を「劇」とすれば、地政学は「舞台装置」です。

と記されており、劇(政治)を冷静に見つめるために、舞台にはどのような仕掛けがなされているのかを知っておこうというのがこの本のコンセプトだと思われます。

 

 

構成ともくじ

本書は導入+4つのChapterに分かれており、上から

・導入:地政学そのものについてざっくり

・Chapter1:地政学のルールに関する基本的概念

・Chapter2:日本の地政学

・Chapter3:アメリカ、ロシア、中国の地政学

・Chapter4:アジア、中東、ヨーロッパの地政学

という構成となっております。

 

 

概要

・導入

本書を学ぶことで見えてくる世界の動きを、この項目にて全て先に明かしています

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↑こんな感じで、本書を読んで得られる知識はかなり序盤のページにザクっと紹介されてます。

 

くどくど言って集中力が切れた頃にエッセンスの話をされては右から左ですしね。

 

地政学で学び得られる情報がどんなものかを数ページで想像させてくれるこの本の構成は、非常に効率の良いものだなと読み始め早々に思わされました。

 

 

・Chapter1地政学のルールに関する基本概念

地政学を理解することで、他国をコントロールしたり優位に立ったりできる」といったことが説明されています。まさに地政学を制すものは国際関係を制す…!ということですね。

 

国際序列というのは、世界第一国にさえなれば安心して王様をしていられると思っては大間違い。常に第二国ののし上がりを意識しなければなりません。それゆえに第三国以降の国に援助(経済的な援助や何かしらの優遇)をし、恩を売りながら言い方…第二国に追い抜かれないよう共通の敵として対処していくのです。

具体的な話をすれば、現在は世界の第一国がアメリカ、第二国として上昇しているのが中国です。アメリカは第三国である日本への支援などで協力関係を結びながら、中国ののし上がりを牽制している…という状態のようです。ははあ、こうして考えると、私たちの普段の人間関係って世界関係の縮図なんですねえ。職場とかでもこういうの見るもんね…

 

他にもシーパワー(日本やイギリスなどの島国の持つ船や造船施設・港湾施設的な能力)ランドパワー(ユーラシア大陸内部などの陸上戦力や道路鉄道などの輸送能力)のパワーバランスによる紛争の勃発についてなど、なぜ小競り合いが起きやすい地域があるのかについても言及されております。

シーパワーが強い島国のような国は防衛力が強いです。対してランドパワーが強くなるような立地の国だと常に隣国からの侵略に怯えなければならず、その結果自国も防衛的というよりは侵略的である傾向となってしまうようです。

このルールに基づいて考えると、日本って本当に防衛に向いてるんですねえ。日本の自衛隊の基本理念は「専守防衛」ですが、日本がシーパワーの強い島国でよかったです。他国と比べると紛争が少なく、危険に晒される機会はランドパワーの国と比べると相対的に少ないですからね。

ちなみに日本に比べると随分大きいですが、アメリカも(大きな)島国としてシーパワーが強い分類だそうです。確かにカナダとの国境線はありますが、隣接国は随分少ない方ですもんね。対してロシアや中国のようにあらゆる国に隣接している国境線の多いランドパワーの国は、よく周辺国と小競り合いをしています。大国で考えると想像しやすいですね。

 

 

 

・以降のChapterについて

このあとは「Chapter2.日本の地政学」「Chapter3.アメリカ、ロシア、中国の地政学」「Chapter4.アジア、中東、ヨーロッパの地政学」と具体的な地域における地政学について、導入とChapter1の知識をベースに説明がなされます。

初版が2020年6月刊行なので、かなり近々の国際関係まで言及されています。比較的タイムリーな情報なので想像しながら読みやすかったですよ。もしご興味があればお早めにお手に取っていただいた方がHOTな情報にありつけます…!

 

 

地政学で国を見ると「国益!思惑!権力!」がベースになっており、義理人情や思いやりなんて言葉とは程遠く、なんだか本当に殺伐としています。

正直「やだな…」とか思ってしまいますが、大丈夫です。著者さんも「それが普通の感覚だから大丈夫だよ〜◎」と言ってくださっていました。

 

 

感想

正直読み切ってなお「一般人が知ってても国を動かせるわけではないし…」という感覚は拭いきれません。しかし国際情勢を追いかけるためにニュースを見るときの内容の入り方は、きっと読む前と後では違うだろうなとは思いました。実際以前よりも各国の思惑…みたいなところが国の動きからみえるようになった気がします。(気がするだけかも!)

 

でもサクッと読めますし、大人の知識として入れておいて間違いはなかったです!

次は何を読もうかな!!!元気ってさいこー!!