読子の本棚

読んだ本をここの本棚にしまっておきます。

19冊目:火車 宮部みゆきさん

おはようございます、読子です。

わあ、前回からたっぷり2週間経ってますねえ…えらい間空いたもんだ。でも何事もなかったかのように進めますね

 

 

今回は宮部みゆきさんの「火車」の記事です。

 

 

本作は本読みブログ「本好きの秘密基地」のはむちゃんさんの記事を拝見して興味を持ちました。私も「クレジットカード怖い…」したい!

 

なおこちらは「郵便局のおじさんは9時40分ごろやってくる」のニードルさんからの推薦があった本だそうで、お二人が揃って面白いと仰るのであれば…!と全幅の信頼のもと本書を手に取りました。\ テッテレー!/

 

はむちゃんさんのブログは本当に愉快な本の紹介ですので、偶然当ブログを通りかかった本好きさんは是非チェックしてみてくださいね!きっと読みたい本が見つかるはずです!少なくとも私は影響を受けまくっています

 

 

 

宮部みゆきさん

宮部みゆきさんといえば、ミステリ!!!

…なのですが、初めて手に取った作品「ステップファザーステップ(双子の男の子の元に泥棒が落ちてきて(?)、家族のようになるハートフルミステリ)」の印象が強く、愉快なミステリーを書いてる作家さんだよね?のイメージが拭えません。他の作品をパッと眺めるとむしろ明るい表紙の作品の方が少ないのに…。薄暗いムードの宮部さん、あまり想像がつかなくてワクワクします!

ところで彼女の経歴の「OL→法律事務所→東京ガス集金課勤務」というのがパンチ強すぎてですね…?法律事務所勤務のち集金課はめちゃめちゃに人生経験豊富そう…

 

 

あらすじ

休職中の刑事・本間の元を、ずいぶん疎遠だった親戚の青年が訪れます。彼が訴えるに「婚約者が行方不明になった。どうにか探してくれないか」と、人探しをして欲しい模様。ここから青年の恋人「関根彰子」の足跡を辿る物語は展開されていきます。

突如婚約者の前から姿を消した関根彰子とは一体何者なのか?なぜ愛する人の前から姿を消さなければならなかったのか?警察手帳を持たない(休職中なので)刑事さんが彼女の影を追い求めるお話です。

 

 

 

 

 

 

 

感想

めっちゃいいところで終わるなほんとによォ!!!!

たもっちゃんあんた…今どんな顔してんの…なんて声かけるの…?

 

どんどん真相に近づいてラストまで駆け抜ける感じがめちゃめちゃ面白い上に、色んな感情が昇り詰めた最高にいいところで終わる部分にズルさを感じました!笑

ラストの後に余白を作って、本間さんや彼女を探していたみんなが、彼女にどう語りかけるのかを読者側に想像させる作りなのほんと…ほんと…凄い想像が捗っちゃう〜〜!!!読んでる間も面白いし、この後を想像して余韻に浸れるし良い!」としか言えないですわよこんなの…

 

本間さんの推理に乗っかって読み切ると、自分も刑事さんみたいな名推理をしちゃったような気持ちになれて最高に気持ちがよかったです。やっぱりたまんねえな、ミステリってやつはよ!(ミステリ読むたび推理上手くいかない)(フェイク引っかかりがち)(すぐミスリードする)

 

 

そんでもってこの作品、「クレカがどんなリスクを孕む存在か」「借金をするというのはどういうことなのか」というリアルな厳しさをぶつけてくる一冊して…

なぁああんでそんなにお金借りちゃうのかなあ?!

みたいな多重債務に陥るカラクリの種明かしがされております。「特別お金遣いが荒いから借金まみれになるわけではなく、誰でもふとした拍子に返済地獄に転がり落ちる可能性があるんだ」という内容が説明されていて本当に恐ろしく感じました。

カード怖い…

 

現実世界の話として、カードの請求メールなどで「今ならまだリボ払いに変更できます!いかがですか!」事あるごとに推奨されるじゃないですか?今までは「使わん使わん。手数料が勿体ない」くらいの気持ちでしたが、「気軽に怖いこと勧めてくる!!!悪魔の所業!!!!」認識にアップデートされましたよ…

ほんとうに手数料利息って言葉はいけない。パクチーと同じくらい苦手。

 

 

 

 

 

ここからの感想はややネタバレが含まれます。ので、読了後の方や「ネタバレばっちこい!ミステリーなんて結末知ってから読む方が味があるに決まってんじゃん!」な方だけどうぞ↓↓↓

 

 

 

 

 

物語が大きく動き出す場面のひとつ、本間さんが《半年間で180度別人の印象になっている》という部分に違和感を覚えるシーン。ここで「そういえば顔と名前の一致をしていない」と対象の同定を思いつくのが、本当に刑事さんらしいなと思いました。刑事さんって本当に違和感へのアンテナが高い…私はきっと「何が彼女をそんなに変えたの…?」って一生気づけないよ…喬子さん無事逃げ切り

 

 

喬子さんのことについては、不遇の人生だったこと彼女の人柄を考えてしまうと責めきれないのがこの物語の重みや深みのあるところですよねえ。

自分で選んで追われる人生を始めたわけじゃない、それはそう。でもそれで人を殺して、その人の人生を乗っ取っていい理由にはならないから…

大切なものを片っ端から奪われて(手放さなければならない状態に追い込まれて)ほんとうに辛い思いしてるから…と考えたら責めるだけなのは絶対に違いますし、私ならラストのシーンでどう声をかけるだろう…と考え込んでしまいます。

 

 

「フィクションだから」と片付けるには勿体無いくらいとても濃密なお話でした。

当たり前のようにカードバンバン切っちゃう方は、カードとの付き合い方を再検討するための一事例として、一読の価値ありだと思います!とてもいい本だった…!

 

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次はちょっぴり並行読みしていた怖い本です!

それではっ!